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情報セキュリティ
「紛失していないのに流出した」──多摩総合医療センターUSB問題が教えてくれること
あなたの医療情報は、本当に守られているだろうか? 2025年10月、東京都立多摩総合医療センターで患者188人分の個人情報が外部に流出した。ニュースを見て「またUSBメモリの紛失か」と思った人も多いだろう。 しかし、この事件には見過ごせない異常性がある... -
政治・経済
削る政治と、削られる民意
議員定数削減ブームの背景 2025年10月17日、吉村洋文代表がフジテレビ番組で「議員定数削減は絶対条件」と発言したことをきっかけに、SNS上で大きな議論が巻き起こった。「身を切る改革だ!」というかけ声が、まるでお祭りのようにX(旧Twitter)を駆け巡... -
政治・経済
「言葉」と「構造」──“嫁入り”発言が映し出した政治と感覚の歪み
序章:言葉が照らす政治の無意識 「麻生家に嫁入り」という一言が、これほどまでに波紋を広げるとは、多くの人が予想しなかっただろう。立憲民主党・本庄知史氏の発言は、ジェンダー問題として批判を浴びたが、その本質は自民党の閉鎖的で時代錯誤な人事構... -
社会問題
見えない犯罪の時代――13歳がオンカジに手を出す社会の構造的バグ
2025年10月、神奈川県在住の13歳中学生が、スマートフォンで海外のオンラインカジノにアクセスし、暗号資産を賭けていたとして警視庁に通告された。児童相談所送致の理由は「常習賭博」——単なる"遊び"ではなく、繰り返された違法行為という扱いだ。 この事... -
政治・経済
高市新総裁で自民党は変わるのか?「解党的出直し」という名の壮大な茶番劇
「解党的出直し」とは何だったのか 2025年10月4日、高市早苗氏が自民党史上初の女性総裁に選出された。「自民党の新しい時代を刻みました」という高揚した言葉とは裏腹に、この総裁選が示したのは、自民党という政党の変革不能性という冷徹な現実だった。 ... -
社会問題
使えない災害対策、眠る7480万円 ―陸自ドローン問題が示す「お役所仕事」の深刻さ
陸上自衛隊が災害対応用に購入した高性能ドローンが5年間使用できない状態だった問題が発覚し、日本の防災体制の機能不全を浮き彫りにしています。この事例は「お役所仕事」の典型として、多くの専門家から批判を受けています。 会計検査院の調査によれば... -
国際政治
国連という舞台の裏側:80年目の迷走と希望
序章:平和への願いと現実のはざまで 1945年、第二次世界大戦の惨禍から誕生した国際連合は、世界平和を守るという崇高な理想を掲げてスタートした。当初わずか51カ国だった加盟国は現在193カ国に拡大し、ほぼすべての主権国家を包含する巨大組織へと成長... -
コラム
お代替わり総裁選~変わらぬ面々の変わらぬ芝居
「解党的出直し」を掲げた自民党総裁選。しかし蓋を開けてみれば、いつもの顔ぶれによる、いつもの政治ショーが華々しく繰り広げられている。メディアは連日総裁候補の一挙手一投足を追い、派閥の駆け引きが表面化し、政策論争よりも人気取りの発言が目立... -
エネルギー政策
原発新増設問題の現実と課題 – コスト負担と地震リスクを問う
既定路線化する原発回帰への疑問 日本の原子力発電所新増設を巡る議論が、国民的な合意形成のプロセスを経ずに既定路線として進められている現状に、深刻な懸念を抱かざるを得ない。長期的なエネルギー政策として極めて重要な原発の運命が、透明性を欠いた... -
国際政治
アフリカ・ホームタウン構想の撤回は日本外交の後退か ― 誤解と偏見が奪った国際交流の機会
はじめに:27,000人の署名が止めた国際交流事業 2025年9月25日、国際協力機構(JICA)は「アフリカ・ホームタウン構想」の撤回を発表しました。わずか1か月前、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)で華々しく発表されたこのプロジェクトは、思いがけない形で...
