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「ゾンビタバコ」の危険性:日本に広がる新たな薬物の脅威

2025 9/12
健康・医療
2025-09-12
ゾンビタバコ(エトミデート)の危険性を警告するイラスト。電子タバコと警告マークが描かれた公衆衛生啓発画像

今、何が起きているのか

2025年、日本では「ゾンビタバコ」と呼ばれる危険な薬物が問題になっています。この薬物の正体は「エトミデート」という、海外では手術の際の麻酔薬として使われている医薬品成分です。しかし日本では医薬品として認められておらず、電子タバコのリキッドに混ぜて違法に販売されているのです。

なぜ「ゾンビ」と呼ばれるのでしょうか。使用した人がふらつきながら歩き、まるでホラー映画のゾンビのような状態になるからです。中国当局が警告のために公開した映像では、使用者が片方の靴を脱いだまま、意識がもうろうとした様子で歩き回る姿が映されています。

特に危険な二つの理由

この薬物が特に危険な理由は二つあります。

1つ目:意識を失い、異常な行動を取る エトミデートは脳の神経を強力に抑制します。使用者は意識を失い、現実と虚構の区別がつかなくなります。台湾やシンガポールでは、この薬物を使用した運転手による死亡事故も起きています。

2つ目:体の防御システムを破壊する もっと怖いのは、この薬物が体の「副腎」という臓器を攻撃することです。副腎は、ストレスに対抗するホルモン「コルチゾール」を作る大切な場所です。エトミデートはこのホルモンの生産を止めてしまいます。

その結果、普段なら問題ない風邪やケガでも、体が対処できずに命の危険にさらされる可能性があります。実際に医療現場では、この薬物を継続使用した患者の死亡率が25%から44%に跳ね上がったという報告もあります。

沖縄が「入り口」になっている現状

現在、この問題は特に沖縄県で深刻化しています。2025年夏以降、16歳の少年から20代の若者まで、エトミデート所持での逮捕者が相次いでいます。

なぜ沖縄なのでしょうか。地理的に台湾に近い沖縄は、東アジア全域で流行するこの薬物が日本に入ってくる「玄関口」になっているのです。エトミデートの乱用は中国で始まり、台湾や香港に広がりました。そして今、日本への流入が始まっているのです。

「笑気麻酔」という嘘の宣伝

特に悪質なのは、沖縄では「笑気麻酔」という偽りの名前で販売されていることです。歯医者で使われる安全な笑気ガスと勘違いさせて、若者の警戒心を解く狡猾な手口です。

しかし実際には、手術室で使われるレベルの強力な麻酔薬を体に入れるという、極めて危険な行為なのです。「安全そうな名前だから大丈夫」と思って手を出すと、取り返しのつかないことになりかねません。

電子タバコが「運び屋」に

この薬物の拡散を加速しているのが電子タバコです。注射器のような従来の薬物使用器具と違い、電子タバコの使用は若者にとって日常的な行為になっています。

「新しい味のリキッドを試してみよう」という軽い気持ちで、危険な薬物に手を出してしまう人が増えているのです。電子タバコはもはや単なるニコチン製品ではなく、違法薬物を社会に広める「隠れ蓑」になっているのが現状です。

世界各国の厳しい対応

この問題は日本だけではありません。アジア各国で深刻な社会問題になっており、各国が厳しい規制で対応しています。

台湾:運転手による死亡事故が発生し、135キログラム(約126億円相当)の大規模密輸組織を摘発。エトミデートをコカインと同じレベルの「第二級毒品」に指定しました。

中国:2023年10月に規制対象に指定。警告のための衝撃映像を公開しました。

香港:「太空油(スペースオイル)」の名前で流通。2025年2月に危険薬物に指定しました。

シンガポール:電子タバコ自体が違法なのに、「Kpods」と呼ばれる違法デバイスでの乱用が確認され、死亡事故も発生しています。

日本政府の対応

日本政府も迅速に動きました。2025年5月16日、エトミデートを「指定薬物」に指定し、製造・輸入・販売・所持・使用を全面的に禁止しました。違反すると最大5年の懲役という重い刑罰が科されます。

しかし、法律で禁止するだけでは限界があります。より効果的な対策が必要です。

今後必要な対策

1. 検査体制の強化

税関や警察が電子タバコのリキッドを押収した際、従来の薬物だけでなく、エトミデートのような医薬品成分が入っていないかも調べる体制を作る必要があります。

2. 医療現場への注意喚起

特に沖縄などの医療機関では、原因不明の意識障害やショック状態で運ばれてくる若者を診る際、この薬物の影響を疑うことも大切です。

3. 正確な情報発信

「笑気麻酔」という嘘の宣伝を否定し、この薬物の本当の危険性を分かりやすく伝える活動が重要です。

4. 国際協力

台湾や中国など近隣国との情報共有を強化し、薬物の流通ルートを根本から断つ努力が必要です。

私たちにできること

この危険から身を守るために、私たち一人ひとりができることがあります。

「買わない、使わない、関わらない」 これが基本原則です。どんなに安全そうな名前で売られていても、出所の怪しい電子タバコリキッドには絶対に手を出さないことです。

正しい知識を持つ 「笑気麻酔」として売られているものは、実際には命に関わる危険な薬物だということを知っておきましょう。

家族や友人と話し合う 特に若い家族がいる場合は、この問題について話し合い、危険性を共有することが大切です。

怪しい情報があれば通報 不審な製品の情報があれば、地域の保健所や警察に連絡しましょう。

まとめ:科学の力で立ち向かう

「ゾンビタバコ」は、見た目には分からない恐ろしい薬物です。使用者の意識を奪うだけでなく、体の防御システムを静かに破壊する「見えない殺人者」でもあります。

しかし、正しい知識と社会全体の連携があれば、この脅威に立ち向かうことができます。沖縄での経験を全国で共有し、アジア各国と協力しながら、次世代を守るための取り組みを続けていくことが重要です。

「新しいフレーバー」「笑気麻酔」といった甘い言葉に騙されず、科学的事実に基づいて判断することが、私たち自身と大切な人たちを守る第一歩なのです。

健康・医療
エトミデート 健康被害 危険ドラッグ 笑気麻酔 若者 電子タバコ
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