2025年スパイ防止法とは何か──40年ぶりに復活した「現代の治安維持法」

2026年1月召集予定の通常国会で、「スパイ防止法」が大きな焦点になりそうです。参政党と国民民主党は既に法案を提出済み、日本維新の会も提出を準備中です。自民党の高市早苗首相も制定に意欲を示し、連立政権合意書にも明記されました。40年前に国民的反対運動で廃案となった「いわく付きの法案」が、なぜ今、与野党を巻き込んで復活しようとしているのでしょうか。この記事では、法案の内容、推進派の主張、反対派の懸念を詳しく見ていきます。
なぜ今、スパイ防止法なのか
2025年7月の参議院選挙で、参政党が12議席を獲得し、単独で法案提出が可能となる11議席を突破しました。これを契機に、40年前に廃案となった「スパイ防止法」の制定議論が急速に活発化しています。
参政党の神谷宗幣代表は参院選直後の7月22日、記者会見で「これからの戦いは情報戦争だ。情報分野で他国と対等にやりとりができないことは日本の防衛力、安全保障のレベルを落とす」と述べ、秋の臨時国会でスパイ防止法案の提出を目指す考えを表明しました。
その後、参政党は11月25日に2法案を参議院に提出。翌26日には国民民主党も衆議院に法案を提出しました。日本維新の会は10月1日に中間論点整理を発表し、臨時国会での提出を目指しています。
さらに注目すべきは、自民党と日本維新の会が締結した連立政権合意書に「インテリジェンス・スパイ防止関連法制(基本法、外国代理人登録法およびロビー活動公開法など)について2025年に検討を開始し、速やかに法案を策定し成立させる」と明記されたことです。高市早苗首相も自民党総裁選で「国家情報局の設置」と「スパイ防止法の制定」を公約に掲げており、政府・与党を挙げた推進体制が整いつつあります。
スパイ防止法とは何か
「スパイ防止法」とは、外国勢力によるスパイ活動や国家機密の漏洩を防止するための法律を指します。正式名称は提出する党によって異なりますが、共通するのは「外国のために行う諜報活動を取り締まる」という目的です。
現在の日本には、スパイ行為そのものを包括的に取り締まる法律は存在しません。ただし、情報漏洩に対しては複数の法律で対処しています。
現行の関連法律:
- 特定秘密保護法(2013年制定): 防衛・外交・特定有害活動・テロ防止に関する特定秘密の漏洩を処罰(最高懲役10年)
- 重要経済安保情報保護活用法(2024年制定): 経済安全保障上重要な情報の保護
- 不正競争防止法: 営業秘密の漏洩を処罰(最高懲役10年または罰金2000万円)
- 自衛隊法: 防衛秘密の漏洩を処罰
推進派は「これらの法律では不十分であり、スパイ活動そのものを取り締まる包括的な法律が必要だ」と主張しています。一方、反対派は「現行法で十分に対処可能であり、新たな法律は人権侵害のリスクが高い」と警鐘を鳴らしています。
40年前の「悪夢」──1985年廃案の経緯
スパイ防止法をめぐる議論は、今回が初めてではありません。1985年、中曽根康弘政権下で自民党が「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」を国会に提出しました。
1985年法案の主な内容:
- 対象: 外交・防衛にかかわる「国家秘密」の探知・収集、外国への通報
- 罰則: 最高刑は死刑、無期懲役も含む厳罰
- 予備・陰謀罪: スパイ行為の準備段階でも処罰対象
- 適用範囲: 公務員だけでなく、民間人、報道機関も対象となる可能性
この法案に対しては、日本弁護士連合会が強く反対しました。1985年の反対決議では「『国家秘密』の内容が実質的に広範囲・無限定で、行政当局の恣意的専断を許すことになる」と指摘。「民主主義の根幹が脅かされる恐れはまことに大きい」と強い懸念を表明しました。
報道機関も「取材の自由」「国民の知る権利」が侵害されるとして反対キャンペーンを展開しました。市民団体や労働組合も加わった反対運動が全国に広がり、最終的に1986年、法案は審議未了で廃案となりました。
興味深いのは、当時、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)系の政治団体「国際勝共連合」が、スパイ防止法制定のための署名・請願運動を熱心に展開していたことです。この歴史的経緯は、現在の推進派にとって触れたくない「過去」かもしれません。
2025年、なぜ再燃したのか
40年の時を経て、スパイ防止法がなぜ再び浮上したのでしょうか。背景には複数の要因があります。
スパイ防止法 議論の流れ(2025年〜2026年)
米国からの要請
2024年4月、米国の超党派政策提言書「第6次アーミテージ・ナイレポート」が「日米のインテリジェンスの共有関係をファイブ・アイズ・パートナーシップ同等に高めるためのロードマップを設定すべき」と記載し、日本にスパイ対策の強化を要求しました。
ファイブ・アイズとは、米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの5カ国による機密情報共有の枠組みです。日本がこの枠組みに準じた扱いを受けるには、より厳格な情報管理体制が必要だというのが米国の主張です。
中国との緊張関係
推進派が頻繁に引き合いに出すのが、中国で拘束された邦人の問題です。日本経済新聞の報道によると、中国が2014年11月以降に拘束した邦人17人のうち9人が、スパイ罪に当たると認定されて実刑判決を受けたということです。
推進派は「スパイ防止法があれば、日本国内の中国人スパイを逮捕することができ、中国で逮捕されている邦人との交換が成り立つ」と主張しています。ただし、この「スパイ交換」が実際に有効かどうかについては、専門家の間でも意見が分かれています。
参院選での極右・保守勢力の躍進
2025年7月の参院選では、参政党が12議席を獲得したほか、日本保守党も議席を獲得しました。外国人排斥や「日本人ファースト」を掲げる政党が勢力を伸ばしました。これらの政党にとって、スパイ防止法は「外国勢力から日本を守る」という象徴的な政策となっています。
自民党内の推進派の台頭
自民党の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」(会長・高市早苗氏)が2025年5月、石破茂首相(当時)にスパイ防止法制定の検討を求める提言書を提出しました。提言には「諸外国と同水準のスパイ防止法の導入に向けた検討も推進すべきだ」と明記されています。
高市氏は自民党総裁選でもスパイ防止法制定を公約に掲げ、首相就任後も推進の姿勢を崩していません。
提出された法案の内容
現時点で具体的な法案を提出しているのは、参政党と国民民主党です。
3党スパイ防止法案 比較表
| 項目 | 参政党 | 国民民主党 | 日本維新の会 |
|---|---|---|---|
| 提出状況 |
提出済 2025年11月25日 参議院に提出 |
提出済 2025年11月26日 衆議院に提出 |
準備中 中間論点整理を発表 (2025年10月1日) |
| 法案名 |
①防諜施策推進法案 ②特定秘密保護法等改正案 |
外国勢力活動透明化法案 (複数法案のパッケージ) |
スパイ防止基本法 (予定) |
| 主な処罰対象 |
• 外国からの指示を受けた活動 • 選挙への不当な影響 • 国家秘密の漏洩 |
• 外国代理人の未登録活動 • 偽情報の拡散 • ロビー活動の未報告 |
• スパイ活動全般 • 外国代理人の未登録 • ロビー活動の未公開 |
| 情報機関 |
内閣情報調査局 (内閣情報調査室を格上げ) |
独立行政委員会 (インテリジェンス機能強化) |
対外情報庁 (CIA型の新組織) +国家情報局 |
| 罰則 |
法案で「検討」と明記 (具体的刑罰は未定) |
刑罰規定あり (詳細は非公開) |
刑罰を科す方針 (詳細は法案化時に決定) |
| 外国代理人登録 |
✓ あり 事前届出・定期報告義務 |
✓ あり 登録制度+活動内容公開 |
✓ あり 外国代理人登録法を制定 |
| ロビー活動規制 | 言及なし |
✓ あり 資金源・活動内容の公開 |
✓ あり ロビー活動公開法を制定 |
| 適性評価 |
拡充 国籍、外国渡航歴等を 調査事項に追加 |
強化の方針 (詳細は未公表) |
強化の方針 (詳細は未公表) |
| 人権保護条項 |
第三者機関を国会に創設 報道の自由に配慮と明記 |
「国民の主権・人権を守る」 を三原則の一つに |
明示的な規定は不明 |
| 国民啓発 |
✓ あり 教育・啓発の推進を規定 |
言及なし | 言及なし |
• 参政党と国民民主党は正式な法案を提出済みだが、全条文は公開されていない。
• 日本維新の会は中間論点整理の段階で、正式な法案はまだ提出されていない。
• 各党とも「諸外国並み」の法整備を主張しているが、具体的にどの国をモデルにするかは異なる。
• 罰則の詳細(懲役年数等)は、いずれの法案も明確にしていない。
参政党の法案(2025年11月25日提出)
参政党は2本の法案を参議院に提出しました。
1. 防諜に関する施策の推進に関する法律案
この法案は、スパイ防止法制定のスケジュールと基本方針を定める「プログラム法案」です。
- 外国による活動の透明性確保: 外国からの指示を受けた者が行う活動について、事前届出や定期的な報告を義務付け。違反すれば処罰。
- 選挙介入の防止: 外国による公職選挙などに不当な影響を及ぼす行為に関する罰則の整備
- 情報機関の設置: 内閣情報調査室を「内閣情報調査局」に格上げ
- 国民意識の向上: スパイ活動防止に関する教育・啓発の推進
- 第三者機関の創設: 政府による恣意的な法運用を防止するため、国会に第三者機関を創設
2. 特定秘密保護法・重要経済安保情報保護活用法の一部改正案
既存の秘密保護法を強化する内容です。
- 適性評価の見直し: 秘密を扱う公務員らを調査する「適性評価」に関し、国籍や外国への渡航・居住歴を調査事項として拡充
- 外国への漏洩の罰則創設: 外国政府への情報漏洩に対する加重処罰
- 文書毀棄の罰則: 特定秘密記録文書を毀棄した者への罰則創設
参政党の神谷宗幣代表は提出後、記者団に「日本はスパイ天国と言われている。実効性のある法律にするには罰則は絶対必要だ」と強調しました。「与党と一緒に取り組めると考えている」と述べ、自民党との連携に意欲を示しています。
国民民主党の法案(2025年11月26日提出)
国民民主党は「外国勢力活動透明化法案」など複数の法案を衆議院に提出しました。
- 外国代理人登録制度: 外国政府のために国内で活動する団体・個人を登録する制度(米国の「外国代理人登録法」を参考)
- 偽情報対策: 外国勢力による偽情報拡散への対策
- 独立行政委員会の設置: 政府のインテリジェンス機能を強化するための組織
- ロビー活動の透明化: 活動内容や資金源の公開を義務化
玉木雄一郎代表は、法案について「三つの原則」に基づくものだと説明しています。
- 日本国民の主権・人権を守る
- 外国からの影響を排除する仕組みを整える
- インテリジェンス現場の職員と家族の安全を守る
玉木氏は「バランスのとれた中身になっている」として、与野党を超えた広範な合意を目指す姿勢を示しています。
日本維新の会の方針(中間論点整理)
日本維新の会は10月1日、「スパイ防止法」などの策定に関する中間論点整理を公表しました。正式な法案はまだ提出していませんが、方向性は明確です。
- スパイ防止基本法: 議員立法での制定を想定
- 外国代理人登録法: 日本で「外国の利益」のための政治・宣伝活動を行う者に登録や報告を義務付け。違反には刑罰。
- ロビー活動公開法: ロビー活動の透明化
- 対外情報庁の創設: 米国のCIAにならった「独立した対外情報庁」を新設
- 国家情報局: 現在の内閣情報調査室を「国家情報局」に格上げ
維新の藤田文武共同代表は記者団に「私たちの主張が俎上に上り、進むことを望みたい」と強調しました。国民民主党、参政党との連携にも意欲を示しています。
推進派の主張──「スパイ天国」からの脱却
スパイ防止法を推進する政党や政治家は、共通して以下のような主張を展開しています。
「日本はスパイ天国」論
推進派が最も強調するのが、「日本はスパイ天国」という認識です。
日本維新の会のインテリジェンス・スパイ防止法タスクフォース長の空本誠喜氏は「諜報活動自体を取り締まる法律は存在しない。わが国はスパイ活動、スパイ天国だ」と主張しています。参政党の安達悠司スパイ防止法制定プロジェクトチーム座長も「外国勢力によるスパイ活動を包括的に取り締まる法律がないため、スパイ天国と言われている」と強調しています。
ただし、この「スパイ天国」という表現は政治的レトリックの側面が強いです。実際、石破政権は2025年8月15日、質問主意書に対する答弁書で「政府として、情報収集・分析体制の充実強化、違法行為の取締りの徹底等に取り組んでいる。そのため、『各国の諜報活動が非常にしやすいスパイ天国であり、スパイ活動は事実上野放しで抑止力が全くない国家である』と考えていない」と明確に否定しています。
スパイ交換の必要性
中国で拘束された邦人を取り戻すため、「スパイ交換」が必要だという主張も頻繁になされています。
日本大学の小谷賢教授は「取り返す手段が今の日本政府にはない。スパイ防止法があれば、日本国内の中国人スパイを逮捕することができ、中国で逮捕されている邦人との交換が成り立つ」と指摘しています。
ただし、この論理には批判もあります。中国が拘束した邦人の多くは、中国の反スパイ法の曖昧な定義に基づいて拘束されており、実際にスパイ行為を行っていたかどうかは不明です。日本がスパイ防止法を制定したからといって、中国が拘束した邦人を解放するとは限りません。
経済安全保障の強化
企業が保有する先端技術や機微情報を守るため、スパイ防止法が必要だという主張もあります。
2023年には、国立研究開発法人「産業技術総合研究所」の研究員が研究情報を中国企業に漏洩したとして、不正競争防止法違反で逮捕されました。こうした事件を防ぐには、より包括的な法律が必要だというのが推進派の見解です。
諸外国並みの法整備
推進派は「先進国で包括的なスパイ防止法がないのは日本だけ」とも主張しています。
米国にはスパイ法(Espionage Act)があり、最高刑は死刑または終身刑です。英国には公的秘密法(Official Secrets Act)があり、最高刑は懲役14年です。他の主要国にも同様の法律が存在します。
ただし、これらの国の法律が日本の推進派が提案する内容と同じかどうかは、慎重な検証が必要です。定義の明確性、司法チェックの仕組み、報道の自由との両立など、詳細を比較する必要があります。
反対派の懸念──「現代の治安維持法」
スパイ防止法に反対する立場からは、深刻な懸念が表明されています。
人権侵害のリスク
最大の懸念は、憲法が保障する基本的人権──特に「思想・信条の自由」「表現の自由」「報道の自由」──が侵害されるリスクです。
参政党の神谷宗幣代表は、公務員について「極端な思想の人たちは辞めてもらわないといけない。これを洗い出すのがスパイ防止法です」(7月14日)と発言しています。また、神谷氏は街頭演説で「極左の考えを持った人たちが社会の中枢に入っている」として、「政治家、メディア、弁護士、裁判官、テレビタレント」などを名指しし、スパイ防止法で「洗い出す」と述べました。
これは、特定の思想を持つ人々を公職から排除しようとする「思想統制」そのものではないか、という批判があります。
「国家秘密」の無限定な拡大
1985年の法案が廃案になった最大の理由は、「国家秘密」の定義が曖昧で、政府が恣意的に秘密を指定できる点でした。
2025年の法案でも、この問題は解消されていません。何が「国家秘密」に当たるのか、何をもって「外国の指示を受けた活動」とみなすのか、明確な基準が示されていません。
これでは、政府に都合の悪い情報を「秘密」に指定し、それを報道したジャーナリストや市民を「スパイ」として取り締まることが可能になってしまいます。
報道の自由への萎縮効果
報道機関にとって、スパイ防止法は大きな脅威です。
取材活動は、しばしば「秘密」に触れます。政府の不正を暴くためには、内部告発者から情報を得る必要があります。しかし、スパイ防止法が制定されれば、こうした活動が「スパイ行為の教唆」とみなされる可能性があります。
実際、2013年に特定秘密保護法が制定された際も、報道機関は強く反発しました。しかし、法律が施行された後、政府の秘密指定に関する報道は減少したという指摘もあります。スパイ防止法が制定されれば、さらに萎縮効果が強まる恐れがあります。
治安維持法との類似性
反対派が最も警戒するのは、スパイ防止法が戦前の「治安維持法」の再来となることです。
治安維持法は1925年に制定され、当初は「共産主義者の取り締まり」を目的としていました。しかし、次第に対象が拡大し、社会主義者、自由主義者、宗教団体まで弾圧の対象となりました。「国体の変革」や「私有財産制度の否認」といった曖昧な定義のもと、多くの人々が逮捕・拘禁され、拷問によって命を落とした者もいました。
日本共産党の小池晃書記局長は「次にやろうとしているのは何か。国内での徹底的な言論弾圧」と指摘しています。「スパイ防止法は戦争する国になる切り札的なものになる」と警鐘を鳴らしています。
興味深いのは、参政党の神谷代表が治安維持法について「悪法と言うが、共産主義者にとって悪法だろう」(7月12日)と正当化していることです。この発言は、スパイ防止法が「特定の思想を持つ人々の弾圧」に使われる可能性を示唆しています。
冤罪のリスク
スパイ防止法には「予備罪」や「陰謀罪」が含まれる可能性が高いです。これは、実際にスパイ行為が行われていなくても、「準備した」「計画した」だけで処罰できるという規定です。
しかし、何が「準備」「計画」に当たるのかは極めて曖昧です。たとえば、研究者が外国の研究機関と情報交換しただけで「スパイの準備」とみなされる可能性もあります。
2021年の大川原化工機事件では、企業が製造した噴霧乾燥機が「大量破壊兵器の製造に使われる」として、外為法違反容疑で社長らが逮捕されました。しかし、その後、機器は兵器転用できないことが判明し、不起訴となりました。このような冤罪がスパイ防止法でも起きる可能性は十分にあります。
スパイ防止法 政党ポジションマップ
ポイント整理
- 推進派の共通項: 対中強硬姿勢、「外国勢力からの防衛」、インテリジェンス強化、排外主義的傾向
- 与野党を超えた連携: 自民(与党)と参政・国民民主・維新(野党)が事実上の協力体制
- 反対派の主張: 人権侵害、報道の自由侵害、思想統制、治安維持法の再来
- 最大の焦点: 立憲民主党の態度。同党が賛成すれば成立の可能性大、反対すれば廃案もあり得る
- 市民社会の動向: 弁護士会、労働組合、市民団体の反対運動が1985年のように展開されるか
- 歴史的背景: 1985年は旧統一教会系団体が推進、2025年は高市氏と統一教会の関係が指摘されている
通常国会での焦点
2026年1月に召集予定の通常国会では、スパイ防止法が重要な争点になりそうです。
参政党と国民民主党は既に法案を提出しており、維新も提出を準備しています。自民党も連立政権合意書に基づき、独自の法案を準備する可能性があります。
焦点は、これらの法案がどのように調整され、最終的にどのような形で採決に至るかです。与野党の一部が連携して法案を通す「反動ブロック」が形成される可能性もあれば、野党の抵抗で廃案や継続審議となる可能性もあります。
立憲民主党の態度が鍵を握ります。同党は現時点で明確な賛否を示していませんが、党内には賛成派と反対派の両方が存在します。立憲民主党がどちらの立場を取るかによって、法案の行方は大きく変わるでしょう。
市民社会の動きも重要です。1985年の廃案は、弁護士会、労働組合、市民団体、報道機関が一体となった反対運動の成果でした。2025年も同様の運動が展開されるかどうかが、法案の成否を左右します。
まとめ──問われる日本の民主主義
スパイ防止法は、単なる安全保障法案ではありません。この法律が制定されれば、日本の民主主義の在り方が根本的に変わる可能性があります。
「安全」と「自由」のバランスをどう取るか。外国からの脅威にどう対処するか。そして、政府の権力をどうチェックするか。これらの根源的な問いに、私たち一人ひとりが向き合う必要があります。
関連記事
この問題は、私たちの暮らしに大きく関わってくる可能性があり、今後も継続して分析記事を公開していく予定です。「日本はスパイ天国」という主張の真偽、国際的な法制度との比較、報道や市民活動への具体的な影響など、多角的な視点から検証していきます。
【参考資料】
- 参政党「スパイ防止法案を提出」(2025年11月25日)
- 共同通信「参政党、スパイ活動への罰則検討」(2025年11月25日)
- 時事通信「スパイ防止法、参政党躍進で再燃」(2025年8月1日)
- 東京新聞「スパイ防止法ができたら、日本はどうなる?」(2025年5月24日)
- 日本経済新聞「『スパイ防止法』機運再び」(2025年8月22日)
- しんぶん赤旗「日常会話から思想まで監視」(2025年10月3日)

